早春オリ−ブともろと
早春オリ−ブともろと  P100号  第54回光風会展  1968年
オリーブと杜松とサルビア
オリーブと杜松とサルビア(牛窓)
F100号  第4回改組日展
1972年

『臨海の町並風景』を、さまざまな場所と角度から描いたものだが、作品のすみずみまで、作家がそれぞれの町の土地柄を愛している呼
吸が伝わってくる。
かっちりとした描法と落ち着いた色彩とで、決して派手ではない、堅実な町の風景が醸し出されており、観る者に、町の空気といったものが伝わってくる作品群である。
つぎの『オリーブ樹』 のシリーズは、「杜松とオリーブ樹」(1963年の新日展)、「早春のオリーブともろと」(1968年の光風会展)、「オリーブと杜松とサルビア」(1972年の改組日展)、「早春オリーブ樹」(1973年の光風会展)、「オリーブ園杜松樹群生」(1973年の改組日展)、「早春の朝」 (1979年の光風会展)などの作品である。
前の『町並風景』シリーズのやや堅い印象から、一転して、穏やかな動きのある風景画である。
明るい色合いも特徴といえよう。オリーブは、緑であったり、青であったり茶色であったりと、豊かな色彩を駆使した作品群である。
オリーブをとりまく樹々も、生き生きと息づいており、その奔放な様相を効果的に捉えて何れの作品も躍動感に満ちている。


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