![]() 早春の朝(牛窓オリーブ園) P100号 第64回光風会展 1979年 |
![]() 1995年 |
「今後とも、引き続いて、楽しんで絵を描いてください」 右のことばは、洋画家・野平上(のぼる)が、東京美術学校を卒業して、岡山県の高等女学校に教師として赴くとき、恩師・藤島武二が、おくったことばである。 野平上は、このことばを守り続けて、画を描いている。 野平上は、わが国洋画壇の最長老である。1901年(明治34年)4月、大阪市の曽根崎で生まれた。満94歳になる。 作家の絵画制作の姿勢は、右のことばを根幹としているが、さらに、つけ加えれば、3年前の1992年(平成4年) の2月に、岡山県総合文化センターで開かれた岡山県現代美術秀作展″によせた彼の挨拶が、野平上の真骨頂を示しているといえよう。 「自然に向かって、その見事さに感動し、『いかにその感動を、自分のものとして表現するかということ』を、しかも現代の絵画として恥ずかしくないような作品を願いつつ、画筆を握っている」と。 その自然体の感動から発する作品、楽しんで描く作品は、観る者に、絵画技術を超越した親しみ深いもの″として、うけとめられているのは、言うまでもない。 |
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