硫酸工場
硫酸工場  F80号  第3回新日展  1960年
尾道風景
尾道風景
P80号  第13回日展 1957年

千入の森の中に佇んで画筆をはしらせる野平上の姿が、息づく樹々の間にうかぶような詩的な味わいがある。
〈この二点をみるとき、絵画とは、肉体年齢とは関係なく、素晴らしいものであることを痛感させられる。〉
       ◇ ◇ ◇
大阪で生まれ、少年時代を大阪で過ごした浪花の人は、長じて、岡山の土地を根拠に絵画制作にうちこんできた。

四年前に、画業七十年の記念展を開いた。そして九十四歳の現在、その健筆は、色に形に、ますます冴えわたってきている。

『楽しんで描く』純真な心の姿勢を守り育んで、彼は本当の詩人、いや画人の境に達しているようである。

画業八十年記念展。数年後、その開催を敬意を持って待望したい


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