千入の森新緑(後楽園)
F30号 岡山美術研究会展 1995年
千入の森風景(後楽園)
F50号 岡山県展 1995年
パリ・チュルリー公園にて
  大空に心曳かれて
 野平 上 のひら のぼる

 大阪府立北野中学時代から空への関心が深かった小生ではあったが、今も尚毎日の様に空を眺め雲の造型に心をときめかしている。

仙人は雲か霞を食べていると云われるが、小生は毎日空を眺めて楽しんである。神のいとなみを風景・動植物の中に見出して心の快びにひたることが多い。それ故小生の画作は100号に到る迄大自然に向って直に写生することになっている。新鮮な歓びを感じつ、画筆を執ることが私の制作の源泉である。

東京美術学校西洋画科学生時代(大正9〜14・研究科約2年)本館前庭は梅林・椎の大樹の他あけびの棚のある芝生に脚を伸して友人と話したり独り転んで冥想することもあった。そんな時隣合せの上野動物園からライオン?の吠える声が伝って来ることもあった。

当時の先生方友人先輩達も殆んど他界されて本年94歳の小生がおぼつかないながら画 筆を持って毎日の様に野外で写生する楽しみにひたっている次第である。
               (1995年9月末)
パリ・チュルリー公園にて
(1965年)


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